本学では様々な形で授業における実践教育への取り組みが展開されています。これらの取り組みに加え、学生が教室にいながらビジネス場面に準じたコミュニケーション力の養成、学生による課題解決提案を促す取り組みを始めています。
職業人にとって必要なコミュニケーション力の養成を目的とした教材開発(ケース教材開発)を行っています。この目的を達成するため、ディスカッション相手とは別々の立場で書かれたケース(既存ケースを大学生向けに改変)をそれぞれ用意しています。また開発者以外が使用できるよう、ティーチングノートの開発(既存ケースを大学生向けに改変)も行っています。
ビジネスの実際の事例が書かれたケース教材を用いて、グループディスカッションを中心とした授業を導入しています。そこでは企業内リーダーシップの疑似体験をしながら、学生による課題解決提案を促す授業を展開していきます。
ケース教育の目的は、①ビジネスの基本理解、②リーダーとしての行動養成/リーダーシップの疑似体験、③ケース教材を用いた職業人にとって必要なコミュニケーション力の養成、を促すことです。教材として、(1)昨年度開発した職業人にとって必要なコミュニケーション力の養成を目的としたケース教材(既存ケースを大学生向けに改変したケース教材)と(2)学部学生向けに文字によるケース教材とともに視覚教材を用いて、会社の中での仕事をより理解しやすくする工夫をしているケース教材(昨年度ケース教育に使用した教材)を用いました。
以下、前者をケースA、後者をケースBとします。
ケースAを用いた授業では、リーダーとしての行動育成を目的とし、リーダーシップに関する講義を行った上で、ケース教材を取り入れました。ケース教材を用いて、個人対個人でのディスカッション、グループ対グループでのディスカッション、グループでのケース分析及び発表を行いました。
ケースBを用いた授業では、企業内リーダーシップの疑似体験を目的とし、チームでのディスカッションを中心とした形態で実施しました。学生たちにはあらかじめチームにおける個々人の役割が与えられます。それは彼らが仕事をする上で、それぞれが与えられた役割をきちんと果たすことの大切さも合わせて体験する授業構成としているためです。役割は1コマ毎に変えるよう指示しています。
学生自身が自ら考え、議論を行う過程で、ビジネス経験のない学部学生に対し、学生自身が実際その立場であればどう考えるかといった観点からビジネスの基本理解を促すとともに、リーダー及びフォロワーとしての役割について理解を深めることにつながったと思われます。