大学生の基礎学力の低下は、専門教育のレベル維持に大きな影響を及ぼしています。その一方で、学生が学問的に十分な資質を備えて卒業する出口保障が社会的に強く求められています。こうしたことから、多くの大学がリメディアル教育を導入し、授業外で学生支援を行う窓口を開設しています。
本補助事業においては、本学におけるリメディアル教育ならびに学生支援活動の第一歩として、以下のような取り組みを行います。
基礎的な数学力の修得を目指して授業を展開します。幅広い学生の学力レベルに配慮して、従来の1クラス開講から、学力レベルに応じた3クラス開講に変更します。テキストは共通のものを使用しますが、各クラスの理解度に合わせた副教材を併用することで学習効果を高めます。
また、時間外学習支援と連係し、講義時間外の学習を促しながら学生が個別に抱える問題に対処します。
前年度より実施してきたクラス分けによる講義の実施および学習支援利用の指導に加えて、科目の開講年次の変更、春・秋学期開講、低学力レベルのクラスの補習参加の必須化、中間試験結果を用いた個別面談の実施などに取り組み、学生の時間外学習時間の担保に努めるとともに、学習支援と連係して学生個々の問題に対応しました。
一連の取り組みを通して、学生の学習への取り組み姿勢を改善することができました。また、1年次および3年次に実施するプレスメントテスト(数学)の点数の比較から、特に低学力の学生の基礎学力習得に本事業が一定の効果を上げていることが示されました。
主に習熟度の低い学生の授業外の学習支援を行うため、サポートセンター内に設ける学習スペースにて学習支援スタッフが学生を個別に指導します。基本的には講義の課題などに対する学生の疑問点を説明する形で指導しますが、学生の理解度に合わせて別途演習問題に取り組ませるような指導も行います。
この取り組みを活発にするために、授業内で学生に積極的な利用を促すだけではなく、理解度の低い学生に対しては優先的に利用時間帯を設定し、来室するように指導します。
平成22年4月から一部学生からの要望を取り入れ、より多くの学生を収容でき、かつ個別に課題に取り組めるように学習用スペースを含めてサポートセンターのレイアウトを変更しました。
昨年度より、学生の学習状況を記録したファイルを作成して情報交換を行ってきましたが、この内容についても一部見直しを行い、基礎学力部分を中心に理解度を詳細に把握できるようにしました。具体的には、いくつかの項目を設け、項目毎に演習問題の実施日と点数を記録し、目標点数に到達したかどうかを確認することで理解度・到達度を確認しています。